<柊の僧兵>記 菅浩江 徳間デュアル文庫

 菅浩江の初期長編。
発展途上の人類を惑星開発に邪魔な原住民とみなす侵略者たちとの戦いを通して、選ばれた少年が成長する様を描いたもの。
 「博物館惑星 永遠の森」など最近の短編集で心理描写の美しさが際立つ菅氏だが、この頃はまだ十分に登場人物の心理が描ききれていない。主人公の成長も状況によってやむを得ずといった感じだし、ヒロインや脇役もステレオタプ過ぎて面白みがない。
 軽く読めるジュヴナイル小説といったところか。

“柊の僧兵”記 (徳間デュアル文庫)

“柊の僧兵”記 (徳間デュアル文庫)