2014年は世界文学とローダンの年
2014年を振り返ると、3, 4月の『けいおん!』漬け、5月SFセミナーでの世界文学との出会い、8月のペリー・ローダン通読会100巻突破あたりが大きな出来事でした。9月からは何をしていたのかと言われると……なにをしていたんでしょう?
世界文学振り返り
世界文学を読み始めたきっかけは、もちろんSFセミナーでの牧眞司さん、豊崎由美社長対談です。これまでにもセミナー、京フェスと何度も世界文学企画は聴いてきたんですが、なんとなくジャンルSFに固執して外に手を出してきませんでした。最近になってライトノベルもコミックも、面白ければなんでもよいじゃないかと懐が広くなってきた気がしていたので、ようやく世界文学に手を出してみることにしました。
世界文学の面白さは無差別級の面白さ、という牧さんの言葉通り、千差万別の手触りを楽しむことができました。特に印象に残った3作をあげてみます。
『百年の孤独』
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本
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オールジャンル・オールタイム・ベストですね。なんでもっと前に読んでおかなかったんだろう、とは思いません。いつ読んでも傑作ですから!
ローダンを100巻読むくらいなら、『百年の孤独』を20回読むほうがよっぽど有意義ですよ! でも自分はローダンも読む人生を選びます。
『わたしの物語』
- 作者: セサル・アイラ,柳原孝敦
- 出版社/メーカー: 松籟社
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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何を書いても社長が言っていたことに被ってしまうところが難点ですが、とにかく予想を外してくる奇妙な展開が味です。著者と同じ名前を持つ少女アイラの一人称語りですが、帯の煽り「アイラにご用心!」通り、彼女が曲者です。息をするように嘘をつく虚言癖に加えて、脈絡という概念がないかのようにあちこちへと飛びまくる脈絡のない語り、自分のペースなんてものは掴みようがなくアイラのペースに振り回されることになります。
冒頭で宣言された、修道女になるまでの物語ですら嘘っぱちというのが有名ではありますが、ここまで信頼できない語り手だと、冒頭が間違っているのか、そもそもそのあとに語られたことが全部うそで、本当にアイラは修道女になったのかすら分からなくなります。そんな混沌に振り回されるのが心地よい、とんでもなく不思議な作品でした。
『煙滅』
- 作者: ジョルジュペレック,Georges Perec,塩塚秀一郎
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 43回
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小説は楽しみ方も自由ですが、書き方、作り方も自由だ!
ビブリオバトルで本作を紹介してチャンプに選ばれたのも良い思い出です。
ペリー・ローダン通読会100巻突破記念企画
まるで昨日のことみたいですね。このブログでのエントリーもちょうど1個前ですし。
お盆休みをほとんどローダンに費やしたせいか、しばらく満腹でサボってしまったので、それからはあまり進んでいないのが問題です。まだアンドロメダに辿り着いてすらいない!
PR通読会では読んでいる巻の話が中心で、も著者の傾向とかは気にはしていてもしっかりと考えていたことがなかったので、自分にとっても記念企画はよい機会になりました。これからはサイクルも50巻(100話)構成になっていくので、それを機に記念企画をやっていきたいですね。
そういえば、学園ローダン企画なんていうのも設定だけ作っていました。
http://d.hatena.ne.jp/fujigawa/20140321
改めて読み返すと、原作の設定をうまく学園に変換してあって我ながらよくできているとは思いますが、いかんせん萌えに寄せることに失敗したので没です。作品としては向いてると思うんだけど、自分に萌えが書けない!
ローダンを100巻読むくらいなら、『百年の孤独』を20回読むほうがよっぽど有意義ですよ! でも自分はローダンも読む人生を選びます。
(大事なことだからry