六つの月の要塞

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈7〉『六つの月の要塞』

六つの月の要塞 (ハヤカワ文庫 SF 81 宇宙英雄ローダン・シリーズ 7)

六つの月の要塞 (ハヤカワ文庫 SF 81 宇宙英雄ローダン・シリーズ 7)

  • 六つの月の要塞
  • 銀河の謎

あらすじ

  • 六つの月の要塞

 トプシダーをヴェガ星域から放逐すべし、ただし無血で! と相変わらず中途半端なヒューマニズムを発揮したローダンによって、複雑極まる作戦が実行される。無事、トプシダー艦隊を追い返したかに見えたが、最後の瞬間にクレストの介入で予期せぬ結果となる。

  • 銀河の謎

 トプシダーを放逐したローダン一行にとり、ヴェガ星域にとどまる理由はただひとつ。赤い宮殿の地下に眠る時間庫の秘密を解き明かすこと。フェロン人たちに空間転送機を与えた謎の種族こそ、トーラとクレストが探し求めていた不死の秘密を握っているのかもしれないのだ。
 アルコンのポジトロン脳とミュータントの超能力を駆使して、謎の種族の残すシュプールを追う長い旅が始まった。

感想

 ローダンのヒューマニズムとアルコン人の呵責の無さといえば、ローダン対アトランの図がすぐに頭に浮かぶけど、こんな頃からあったのね。
 ついに不死者探索行が始まった。それにしても、複数のミュータント能力を要求するっていうのはあまりに地球人に的が絞られた試練ですね。

銀河の時空を抜けて

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈8〉『銀河の時空を抜けて』

銀河の時空を抜けて (ハヤカワ文庫 SF 87 宇宙英雄ローダン・シリーズ 8)

銀河の時空を抜けて (ハヤカワ文庫 SF 87 宇宙英雄ローダン・シリーズ 8)

  • 銀河の時空を抜けて
  • ゴルの妖怪

あらすじ

  • 銀河の時空を抜けて

 不死種族の次なる試練で、フェロンの戦国時代へ飛ばされたローダン一行。一万年前のアルコン植民団と出会ったりしながら、ミュータントやアルコン技術の無双で課題をクリア。

  • ゴルの妖怪

 次のシュプールはヴェガ星系の巨大惑星ゴルを指していた。大重力に、エネルギーを糧とする謎の発光生物などに苦しめられながらも、またもミュータントの活躍で課題をクリア。

感想

 ひたすら不死者のシュプールを追っては課題をクリアし続ける物語が続く。基本的にミュータントに順番にスポットライトが当たる構造になっていて、ようやく出番のでてきた人も。ただ、アンネ・スローンのヒロイン・アピールがかなり強い。トーラが空気。

死にゆく太陽の惑星

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈9〉『死にゆく太陽の惑星』

死にゆく太陽の惑星 (ハヤカワ文庫 SF 97 宇宙英雄ローダン・シリーズ 9)

死にゆく太陽の惑星 (ハヤカワ文庫 SF 97 宇宙英雄ローダン・シリーズ 9)

  • 死にゆく太陽の惑星
  • ツグランの反乱

あらすじ

  • 死にゆく太陽の惑星

 ゴルからフィクティヴ転送機で一行が飛ばされたのは、故郷銀河を遠く離れたどこともわからぬ死にかけた星系。巨星化間近な太陽を回る惑星トラムプには、無邪気で遊び好きなビーバー種族が住んでいた。強力なテレキネシスを持つ彼らにとって、《スターダストII》は巨大なおもちゃでしかなかった。
 子供のようなビーバーたちに翻弄されながら、なんとか課題をクリア。

  • ツグランの反乱

 トラムプからヴェガへ遷移で戻るはずだった一行だったが、気がついてみれば到着したのは見知らぬ星系。ビーバー種族の一匹が《スターダストII》にまぎれており、テレキネシスで遷移ポイントをいじってしまったのだ。テレパステレキネシスを操るネズミ=ビーバーは愛くるしい外見からローダンに気に入られ、グッキーと名付けられてミュータント部隊に加わった。
 おりしも、一行がたどり着いた惑星ツグランでは、アルコン帝国の有名無実な支配から独立しようというロードと、無意味な行動を諌める弟の対立が現実のものになりつつあった。ローダンは対立に巻き込まれ、ロード陣営に捉えられてしまうが、グッキーの活躍で救出される。

感想

 ローダン・シリーズのマスコット、グッキーが登場。もしかして、ローダンの次に有名な存在なんじゃないかって思うんだけど、どうだろう?
 個人的にローダンの中で有名だと思う人物を順番にあげてみる。

  1. 瞬間切り替えスイッチ、ローダン
  2. みんなのアイドル、グッキー
  3. 時の流れの外に一人立つアトラン
  4. 仮面の男、アラスカ・シェーデレーア
  5. ローダンの嫁1、トーラ
  6. ローダンの長男にして自由商人の王、ロワ・ダントン

宇宙の不死者

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈10〉宇宙の不死者

宇宙の不死者 (ハヤカワ文庫 SF 128 宇宙英雄ローダン・シリーズ 10)

宇宙の不死者 (ハヤカワ文庫 SF 128 宇宙英雄ローダン・シリーズ 10)

  • 宇宙の不死者
  • 金星の危機

あらすじ

  • 宇宙の不死者

 ローダン一行はついに不死者の課題をすべてクリアし、人工惑星ワンダラーへたどり着いた。そこに待っていたのは種族の意識が統合された超越知性体”それ”だった。”それ”はローダンに細胞活性シャワーを与えたが、クレストとトーラに与えることは拒んだ。アルコン人にはかつてチャンスを与えたが、もはやその命運は尽きたというのだ。

  • 金星の危機

 地球に戻った一行は、地球では4年半の時が経っていたことを知る。ワンダラーへの旅のどこかで、時間の流れが歪んだのだ。長期に渡るローダンの不在の間に東ブロックでは革命が起こり、反〈第三勢力〉政府が樹立していた。革命政府は金星基地へ艦隊を送り、金星の古アルコン基地を奪取しようとしていた。
 一行は地球へ帰る間も惜しみ、金星へと急ぐ。技術力では圧倒するローダンたちだが、非常事態を前に完全封鎖状態となってしまった金星基地へアクセスするため、金星のジャングルへ降りることを余儀なくされる。

感想

 2,600巻、作中時間にして数千年経っても主人公が変わらない秘密は、”それ”からローダンはじめ主要登場人物が不死化処置を受けているからである。まずは62年ごとの細胞活性化シャワー、後に不死化手段は変遷していくけど、それはその時に。あれだけ苦労した果てに拒絶されたトーラとクレストの絶望はいかに!?
 不死者の次に、ジャングル惑星金星再びというギャップがローダンらしいよね……。それにしても、不在中の代理が変な行動しないように精神ブロックかけてたり、疲労困憊の中でジャングル行を強引に進めたり、ローダンはかなり無茶苦茶。こんな上司についていきたくないです……