AtoZ読書会『赤い星』
- 作者: 高野史緒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/01
- メディア: 単行本
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AtoZ読書会のお題は『赤い星』。参加者は4人(最後にもう一人駆け込み)と少なめ、読むのがつらかったというよりも、予定があわずに来られなかった人が多かったよう(と信じたい)。
今回は高野史緒の他作既読者二人、未読者二人(自分はこっち)と綺麗に別れたので、高野史緒の作風などを教えてもらいながら皆で世界設定についてあれこれ議論する、思い返せば活発な会となった。
江戸パート、ペテルブルク・パートどちらでも出てこないはずの「ペトログラード」という単語が突然出てきたりする辺りから、どちらも仮想現実なんじゃないかとぶちあげてみたものの、そんな設定は仄めかしですらほとんどでてこないので余り受け入れられず。なんにせよ、歴史改変というわけでもない不思議な舞台にあれこれとネタを詰め込んで、とりあえず最後はまとめてみた感じはぬぐえず、実は整合性なんて気にしないでやりたいことをやっただけなんじゃないかという流れに。
これだけフリーダムでも、それなりに面白いのは文章が上手いからか。デビュー作の『ムジカ・マキーナ』はネタの詰め込み具合は同程度で、投稿作だけにまだエンターテインメントを意識した筋らしいので、読んでみようかな。