海のYrr

深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈中〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)

深海のYrr 〈中〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)

深海のYrr 〈下〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)

深海のYrr 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)

 ドイツでは『ダヴィンチ・コード』より売れてるらしいですが、これだけ登場人物が多くては日本では絶対に売れない――と思ったけれど、結構売れてるみたいですね。お前ら、話題になってりゃそれでいいのか? いつもは「カタカナの名前覚えらんないし、人が多いと混乱するから海外物は駄目」とか言ってなかったか?
 珍しく早川の営業が上手くいってるらしい、というのはいいことですね。

 色々詰め込んでみました的作品で、上巻はハリウッド的ロマンス+パニックもの、中巻は欧米圏の科学者が集まって世界をすくうぜ的夢物語、下巻はスパイものとファーストコンタクトものがごっちゃになったカオス。途中で環境保護思想やら、アニミズムやら本筋とは一切絡まない挿話まであったりで、とにかく詰め込まれている。逆に言えば、そのうちの一つ二つにヒットするくらいだと、これだけの長さは苦痛。もっと的を絞って、コンパクトにまとめればいいものを。