雨ニモ負ケテ

 以前運動会のスキー部に入っていた名残で、乗鞍にある大学の保健体育寮のスタッフをやっている。今年も先週の土曜発で開寮スタッフとして行ってきたのだが……。長野県中部は大雨で水没しかけており、標高1700mの乗鞍寮も例外ではなく自然の猛威に壊滅的な被害を受けていた。建物自体は冬の雪にも何とか耐えているし、回りに崩れてくるようなものもないので大丈夫だったが、寮へ行くまでの林道は即席の川が幾筋も流れ、“天然水”を取っている沢は濁流と化し、とにかく客は疎かスタッフすら滞在できるような状態ではなかったので、視察にきた大学職員と相談の上、開寮延期、スタッフの一時撤退が決定された。
 買い出しに下山していたら県道が封鎖されて閉め出されたり、林道の中にある橋が冠水していたり、そもそも国道崩落現場を横目にみながら即席の迂回路を通ったりと、普通に生活していたらであえないような光景ばかりに出会った。仕事ができなかったことや、そもそもスタッフがほとんどいなかったことは残念だったが、これも大学生らしい経験と言え……るわけもないか。