時間地下庫の秘密

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈5〉『時間地下庫の秘密』

  • ミュータント作戦
  • 時間地下庫の秘密

時間地下庫の秘密 (ハヤカワ文庫 SF 78 宇宙英雄ローダン・シリーズ 6)

時間地下庫の秘密 (ハヤカワ文庫 SF 78 宇宙英雄ローダン・シリーズ 6)

あらすじ

  • ミュータント作戦

 ヴェガ星系に来てみたものの、トプシダーの有する800m級アルコン戦艦にあえなく撃墜されてしまったローダン一行。状況は詰んでいるが、そんなことでめげるローダンではなかった。
 どうせアルコン帝国からトプシダーがパクったものなんだし、あれもらっちゃえばよくね?
 ここに、ローダンの快進撃を支える、相手の先進技術や兵器をミュータントを駆使して強奪する作戦の第一号が始まった。今回鍵となるミュータントは、テレポーターのタコ・カクタとテレオプティカー(遠くの人の五感を共有できる超能力者)のラルフ・マルテン。精神干渉装置を持ったタコが飛び回り、司令官に命令させてアルコン戦艦をローダン一行に明け渡させることに成功するのだった。

  • 時間地下庫の秘密

 強奪したアルコン戦艦《スターダストII》で一旦地球に帰った一行だったが、搭乗員を確保すると再びヴェガに舞い戻る。強奪作戦で共同戦線を張った現地住民フェロン人をトプシダーの支配から開放するのだ。
 今回活躍するのは、ヒュプノ(催眠術者)のアンドレ・ノアール。テレポーターのラス・ツヴァイや、テレキネシスのアンネ・スローンらと共にトップ層を散々かき乱し、見事トプシダー艦隊を追い返すことに成功する。ローダンとしては脅すだけに留めるつもりだったが、最後にアルコン人のクレストが介入。トプシダー艦隊は恒星の只中に遷移して壊滅してしまう。

 フェロンにある物質転送装置の謎を解くため、一行は赤い宮殿の地下へ向かう。一万年前に彼らに転送装置を授けた種族こそが、クレストたちが地球へやってきた理由、不死の秘密を握っているに違いないのだ! ここでもまたミュータントたちを駆使して時間地下庫を突破した彼らは、不死族からの暗号を手にする。

感想

 ミュータント無双による技術強盗というのは、以後繰り返され、ローダンが宇宙に覇を唱える原動力となる十八番戦術である。基本的に、地球オリジナル技術というのはほとんどなくて、大部分が敵から強奪した技術+それのアレンジになるのが、高度経済成長時の日本を彷彿とさせますね。