決戦! ヴェガ星域

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈5〉『決戦! ヴェガ星域』

  • 地球救援
  • 決戦! ヴェガ星域

あらすじ

  • 地球救援

 金星の旧アルコン植民団基地で一人乗りの戦闘艇6機を発見したローダンたちは、再びIVsが侵入したとの報を得て地球に舞い戻る。
 ミュータントたちの能力を持ってすれば、精神寄生体IVsたちの本体を見つけることも可能だが、それには相手の不意をつかなければならない。学習したIVsたちの警戒は厳しく、容易に隙を見せなかった。そこでローダンは、IVsに取り憑かれていることが確実なギャングの長キャノンに対して、一計を案じた。精神が入れ替わっていることに気づいてないふりをして、キャノンを〈第三勢力〉の拠点ギャラクト・シティに招くのだ!
 テレパスジョン・マーシャルの活躍により、作戦は無事に成功。IVsの本体を確保したローダンは、侵略の進んでいたニューヨークを開放。さらにIVsたちを地球圏から永久に追放したのだった。

  • 決戦! ヴェガ星域

 IVsとの死闘から三年、第三勢力と地球は平和のうちに力を蓄えていた。しかし、その平和は永続するものではなかった。かつてアルコン船が、ファンタン星人が発信した救難信号をキャッチしていたのは、IVsたちだけではなかったのだ。地球から27光年離れたヴェガ星域に次々宇宙船が遷移してくるのを、第三勢力の警戒網が探知したのだった。
 主力メンバーをアルコン搭載艇《グッド・ホープ》に詰め込み向かった先で一行が発見したのは、アルコン帝国の救助艦隊ではなく、トカゲ種族トプシダーの侵略艦隊だった。トプシダーは4年前の救難信号をキャッチしたものの、発信源を間違え27光年離れたヴェガ星域にやってきたのだった。侵略者に蹂躙される現地のヒューマノイド種族フェロン人を見たローダンは、非道な侵略に介入することにした。非ヒューマノイド許すまじ!
 《グッド・ホープ》と6機の戦闘機は性能面でトプシダー艦隊を凌ぎ、撹乱は成功しているかに見えたが、突如現れたアルコン製の800m級戦艦に《グッド・ホープ》が撃墜されてしまう。如何にしてか、トプシダーはアルコンの超弩級戦艦を我が物にしていたのだ!

感想

 なんだかよくわからない理由で、複雑な作戦を繰り広げるというのはローダンではよくある話。アルコン人の二人があれだけ恐れていたIVsだけど、今後は一切登場しない。この時代の地球は急成長期で、過去相手にした敵などいちいち構っていられないのだ。
 ローダン、副官のブルに主力のミュータント部隊、アルコン人二人と、重要人物をほとんど総詰めにして、未知の星系に飛んでいくという無茶っぷり。案の定撃墜されて半ば積んでるし、リスクヘッジってものを少し覚えたほうがいいと思いますね。