銀河の神々のたそがれ

宇宙英雄ローダン・シリーズ〈2〉『銀河の神々のたそがれ』

銀河の神々のたそがれ (ハヤカワ文庫 SF 40 宇宙英雄ローダンシリーズ 2)

銀河の神々のたそがれ (ハヤカワ文庫 SF 40 宇宙英雄ローダンシリーズ 2)

  • ドームの危機
  • 神々のたそがれ

あらすじ

 ゴビ砂漠の一角をエネルギーバリアで区切り、白血病用の血清(!?)を射ったクレストの回復を待つローダン一行〈第三勢力〉。圧倒的な力を前に東西陣営は一旦手を組み、絶え間ない攻撃を加える。バリアを支えるアルコン製反応炉も、昼夜続く砲撃に過熱し、騒音と振動にローダンたちの精神も追い詰められていく。
 ぎりぎりのタイミングで、深い睡眠に落ちていたクレストの覚醒が間に合い、求めに応じて搭載艇で駆けつけたトーラによってその場は収まるが、入れ違いで東西陣営が月面に差し向けた核攻撃によって母船は破壊されてしまう。
 500光年を航行できるという搭載艦で、ゴビ砂漠の版図を確実にした一行だが、母船をなくしたトーラとクレストはこのままではアルコン帝国に帰ることはできない。地球の若い工業力とアルコン文明の知識で、母船を再建する必要があるが、未だ東西連合にバリアは包囲されたまま。
 しかし、東西緊張を一時的とはいえ一息に解決したローダンに賛同する人は少なからずいた。テレパスジョン・マーシャル、テレポーターのタコ・カクタ、二人のミュータントを始めとする協力者を得て、第三勢力は最大の危機を脱する。

感想

 ローダン率いるテラナー(地球人のこと)の栄華を支えるミュータントたちがついに登場。ヒロシマ原文ママ)直後に生まれた子供たちの中には、放射線により何らかの変異を受けて、超能力を得たものがいて、ヒロシマから26年がたった1971年、大人になった彼らの能力が次々に開花するという設定。「若さ」以外何も持たないテラナーたちがアルコン帝国やその先に進むためには、彼らの能力が必要になるのだ。
 前巻に登場した重力無効化装置や、催眠装置、今回登場した焦点放射器といったアルコンの超兵器は、実際のところ今後はほとんど登場しないわけで、いかに彼らが手加減してるかっていうかと思うと泣けてくるね。