オイレン・シュピーゲル&スプライト・シュピーゲル

 冲方丁&角川ホールディングスの頭のおかしい(褒め言葉)悪ふざけ企画。第一印象は

(〈マルドゥック・スクランブル〉+〈マルドゥック・ヴェロシティ〉)/6(巻数)×6(人数)−早川的何か+ライトノベル的何か

 まあ、すぐに冲方に萌えとか書く気があるわけがない、と思い直したけど。

 三人一組の機械化少女たち二チームが、それぞれの立場でミネアポリス(旧称ウィーン)を守るために戦う。一巻を三章構成にして3人の少女それぞれに焦点をあてたオイレンと、三人の紹介もおざなりにいきなり上位組織の理不尽な介入に抵抗する組織という構図で始まったスプライトというように、一巻を読めばそれぞれの傾向はすぐに分かる。
 一見するとスプライトの方が情報戦は得意だし、組織の目的も一途にリヒャルト・トラクル一直線だし、と本筋やっていて、三巻でスプライト・チームがトラクル捕まえている裏でのんびり(?)休日を楽しんでるオイレン・チームはキャラ重視という感じもする。が、だからこそ特甲児童たちが抱える過去やニヴォー・ドライの秘密に首を突っ込んでいるオイレン・チームの方が、そのどれにも関わっているらしいトラクルおじさんに近い位置にいて、今後の展開次第ではスプライト・チームに先攻することすらあり得るんじゃなかろうか、と思う。

 とりあえず、一番男らしいのはスプライトの鳳、一番かわいいのはオイレンの吹雪、次点は同じく夕霧隊員。