大言妄語ベスト2007
ついでなので、ここのエントリーを元に私的2007年ベストを考えてみた。
新旧問わず2007年の間に言及した作品、シリーズものから10作品を選定。ぱっと数えてみたら、135冊分のエントリーがありました。かなりの割合がマリみて、彩雲国物語とグイン・ローダンに占められますが……。
1.
文句なしでしょう。文字でしか表現できない世界の構築は、SFの目指す究極の目的の一つだと思います。
2.
世界全体で複雑に絡み合う各人の思惑、一つのミスで語り手すら死んでしまう容赦のなさ、最近のファンタジーの中では《氷と炎の歌》が頭抜けています。
3.
『私の男』で直木賞を獲った桜庭ですが、あれは毒が強すぎるので……。桜庭の語りでは本作が最も気持ちよく読めました。
4.
RNAワールドどころか、RNA進化説をぶち上げる大胆さが凄い。環境と生物の相互作用というテーマは個人的にツボ。
5.
この作品は実はシンギュラリティもので、妖精さんは働かないことを選択したポストヒューマンに違いない!
6.
登場人物の魅力、ストーリーテリング、どれをとっても第一級のファンタジー。
7.
宇宙のあちこちで描かれる怪しげな物語。特に表題作のインパクトは強烈。
8.
なんだか妙にこの語りが快感なんだけど何でだろう。
9.
妹コントローラー、略してイモコン。煩悩全開な馬鹿話が行き着く先の壮大さにひっくり返る。
10.
ロボットを鏡にして、実は人間の感情を描いている傑作短篇集。