レキオス

レキオス (角川文庫)

レキオス (角川文庫)

 正直言いたいことはすべて文庫版解説の大森望×豊崎由美対談で言われていますね。

 1,600枚を1,000枚に泣く泣く削ったというだけあって、面白い割にそれぞれの人物描写が薄いように思えた。最後まで本編に絡むことなく終わったような人々は思い切って消してしまえばよかったのに。中途半端にかかれてるものだから、余計に気になる。妄想シスターとか。

 池上永一のこれ以前の著作は読んでいないのですが、本作が沖縄を舞台にした『シャングリ・ラ』のプロトタイプであることは明らか。今度は枚数制限も、連載という制約もない完全に自由なままの池上永一を読んでみたいもの。