ジャンル小説の薦め方

 本日はSFファン交流会7月例会、ライトノベル「超」対談でした。
 『お・り・が・み』は3巻位まで読まないと本当の面白さがわからないらしい。1巻で何も感じなかった人は、ライトノベルのお約束がわかってない人、拒否反応が出るのはお約束がわかってる人、すごさを感じられる人は行きついちゃった人だとか。結局、何もわかってないってことじゃん、自分。

 SF者にライトノベルを薦めるとしたら、かえってSF要素がないものにしないと、SF的に読まれてしまって駄目だという話が宇佐見尚也氏からでた。これは実はライトノベルとSFに限らず、ジャンル読者につきものの問題なのだと思う。
 よく友人と話をするのが、非SF者に『夏への扉』を薦めることの妥当性である。オールタイムベストでトップ3を維持する一方で、特に難しいSF的論理を使っているわけでもないこの作品は入門には最適のようにも思えるのだけど、それって別にSFとして楽しんでもらうわけではないんじゃないか、というのが友人の反論。
 特定のジャンル小説ジャンル小説として受容してもらうためには、ジャンル小説としてしか読めないような作品を推すべし、というのが宇佐見氏や友人の論理である。過去にいきなり『ひとりっ子』を貸して痛い目に遭ってる身からすれば、多少妥協しようとも始めは緩いものから段階的にレベルを上げてく〈馴化〉は必要だと思うのだけど、どうだろうか?

 ちなみに、そんな宇佐見氏的ライトノベルのお勧めは『ゼロの使い魔』だそうな。ラブコメは見てて許せない、という話を二次会でしたら、彼女がいないのが問題なだけじゃないか、と突っ込まれた。