終わりのクロニクル1〈上・下〉

終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ

終わりのクロニクル 1(上) 電撃文庫 AHEADシリーズ

 オーフェン終わりのクロニクルを連続して読んだおかげで、今頃になってやっとブギー・ポップが作った時代というのが判った気がする。一から世界を構成するのではなく、我々の現実と地続きの世界を作り出すのがブギポ以後という理解でいいのだろうか。
 あまりライトノベルを読まず、サンプル数が少ないのだが、ブギポ以後だと、その世界の在り方について妙な理屈をこねたがる傾向があるように思える。我々の現実を捉えるために世界を拡張したというわけでもなさそうな、そういった自己完結的な理屈が大嫌いである*1
 今は、多分ハルヒ以後――というよりはハルヒに代表される、現実と地続きな世界における非日常的日常を描くのがブームなんだろうけど、その辺の言及は避ける。

 前置きは長くなったが、そういうわけでこの作品の根底に流れる姿勢に賛成できない。ついでに言えば、1st-Gを見る限り10の異世界の描写があまりに浅薄そうだ。仮にも“世界”と呼ぶのなら、この世界に近いオーダーの規模を用意して欲しいもの。
 「佐山の姓は悪役を任ずる」という佐山の在り方に期待しよう。

*1:この文章、実は自分の大変な誤解と乱暴な論理の産物である事が判明。詳しくはコメント欄