ルーンの杖秘録1
- 作者: マイケル・ムアコック,深町眞理子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/06/27
- メディア: 文庫
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深町真理子の丁寧な解説目当てに以前購入してあった旧版を、復刊を契機に読んでいる。
ムアコックといえば、病弱な主人公エルリックと魔剣ストームブリンガーの物語で、ヒロイック・ファンタジーの原点ともいえるコナン・サーガにアンチ・テーゼを投げかけた作家である。この作品でも、ひとたび発動すれば主の命を食らいつくす《黒い宝石》を植え付けられながらも反抗しようとするホークムーンの葛藤が見事に描かれている。
もう一人の〈永遠の戦士〉らしき《黒玉と黄金の戦士》の思わせぶりな言もあり、2巻以降が気になるところ。
〈永遠の戦士〉と、〈秩序〉と〈混沌〉の覇権争いに収斂されるムアコックの作品群は、読めば読むほど複雑な関係が構築されていくのだろう。復刊ブームの機を逃さずに、出来る限りカバーしたいもの。