乗鞍回顧

何故か、一ヶ月近く前に書いたと思われるメモがでてきた。折角なのでエントリー。長いし、内輪ネタだがよろしゅう。山小屋行くと言ってもあまり何やってるのか分かってもらえなかったので、いい機会ではあるか。


 一週間ほど乗鞍の山小屋で働いてきた。大雑把な説明をすると、スポーティアという、大学の運動部が共同管理している施設の一つである。で、各部活が部員をスタッフとして派遣することになっていて、一年ほど前までスキー部に所属していた自分もそうやって派遣されていた。普通は部活を辞めた人は乗鞍にも来なくなるが、空気が合ったとでも言おうか、こうしてスキー部を辞めた今でもスタッフの一員として名を連ねている。
 標高1700mという、大学所有の山荘としてはかなり高くに位置する乗鞍寮は、電気も水道も通っていない(ガソリンで自家発電/わき水取水)、まさに大自然のど真ん中にある山小屋である。そんな、文明とかけ離れた一週間をダラダラと。

8/17 ♪ わたしは 陽気な わかもの ♪

 たまたま、スタッフの入退寮が重なった日だったらしい。何人か会うのを楽しみにしていた人もいたんだが、丁度入れ違いだったりで会えず終いの人も。残念。
 任期中の主力は、去年も人数不足の中この時期に来て頑張っていたという二年生の二人。二人ともとても優秀で、着いてそうそうこき使われる。
 水洗式トイレの下水(というか、トイレと槽を結ぶ管)が破裂していることが発覚。一旦使用停止。しばらくボットン便所でやりすごすことに。そちらの方も大分容量使っているようで、不安。
 一気に人数(特に上級生)が増えたせいか、夜の歌会*1は前日までより大分盛り上がったとのこと。まぁ、自分がやたら上機嫌に飲んでいたせいな気もするが。

8/18 ♪山小屋の灯火は 今宵もともりて ♪

 この時期になると、防腐剤塗りなどの作業*2は終わっているらしく、21日の寮祭に向けて草刈りがメインの作業に。といっても、あまり草刈り機に触っていなかった自分は屋内で食事作りの手伝いなど。外にも中にも、自分よりてきぱきと指示を飛ばす二年生がいたので、正直やることなし。ルーチン作業をひたすら。
 業者が来て、下水の配管に応急処置を施していった。取りあえず水洗式も使用可能に。

8/19 ♪ お花畑は 三年生からだ ♪

 応援部の三年に、ワーカホリックとか呼ばれる。まぁ、部活辞めた身でわざわざ来ているんだから、乗鞍の仕事が好きだということだけは確かだろう。寮長 *3が松本へ買い出しに行ってしまったので、何となく責任者らしい位置に。というか、細々としたことの確認をとっただけ。
 前庭のベビーゴルフ・コースを何人かで回ってみる。素人にはあり得ないようなパー値にびびる。古いホールを発見して周りを整備するが、結局使わないことに。

8/20 ♪ 山の大尉は 傷ついた ♪

 翌日に迫った寮祭用に一日宴会料理作り。エッセンさん*4の指示に従ってひたすらキュウリを切りまくることに。病むよ、これ。
 気分転換にベビーゴルフ・コース整備。草刈りだけでは限界がある。ゴルフ場が農薬まみれになる理由もよく分かった気がする。無駄にイネ科多年生雑草を根こそぎにしてみたり。来年生えてたらショックだ。
 湯けむり館という温泉へ。白骨温泉から源泉を引いているといるので、お得感がある。
 歌会は、明日帰る奴の暴走に乗せられてエスカレート。一大イベント前に飲み過ぎ……。

8/21 ♪ 毎日その笑顔 じっと見つめていたい ♪

 前夜の深酒で酷い二日酔いに。朝食にも起きられず、朝の掃除もほとんど出来ないまま寝込む。何とか寮祭受付開始までには起きあがれるようになったものの、自尊心ズタズタ。なんて駄目な三年だ。
 来てからずっと気張っていた寮祭だが、実際には全然大したものじゃなくて拍子抜け。前日あれだけ苦労して準備した料理もほとんど減ってないし(→単純に量が多すぎたというのも一因)。三時前には散会になり、後は皆お疲れモード。
 この日も湯けむり館へ。二日続けて温泉に行くのは、乗鞍寮的にはかなりの贅沢。
 翌日には大した仕事もないので、歌会は寮祭打ち上げも兼ねて大騒ぎ……になるかと思いきや、皆疲れすぎてテンションが上がりきらず。何故か隣の人と二人で高笑いモードに突入。互いの笑い声がおかしくて笑い続けるという救いようのない連鎖。

8/22 ♪ 腹が減ったら また歩け ♪

 ひたすらぐーたら。
 寮長が翌日に寮を引き払うと宣言したので、退寮準備*5を一通りしてしまう。連日不安定な天候が続き(山の上だから当然か)、布団がほとんど干せなかったのが気懸かり。
 昼は中之屋というそば屋で定食(松)(2千円)を皆で食べる。山女魚上手い。
 夜は寮祭で瓶ビールが退寮に余ったので、各自瓶を抱えながら何故か人生ゲームを。誰かが結婚したら瓶で乾杯、クジあてたら瓶で乾杯……バカだ。ちなみに、約束手形一枚につき、プリン味ゼリーなる珍妙なものを食べることに。酔いつぶれ、気がついたらプリンが山のように目の前に積まれていた。いつの間にか借金地獄だったらしい(→ 翌日皆の前で完食。全然味判らん)

8/23 ♪ また いつか見ん この別れ ♪

 前日に引き続き退寮準備。ちょっとバタバタ。ラウンジが散らかり気味のような気もするが、大丈夫ではあろう。
 おそらく設立以来初めてバキュームカーがやってくる。寮の下水システムがちょっと分かってよかった。
 国民休暇村で温泉に入り、ル・コパンで美味しいピザを食べて下山。松本の祖父母邸正面まで自分で運転していき、そこで東京へ向かう皆と別れる。

総括

 乗鞍の魅力は筆や口では到底表現できない。今年も、忙しくはあったがとても楽しい一週間だった。特に、二年生が超優秀だったので、自分であれこれテンパらず、肩の力を抜いて過ごせたのがよかった。来年もよろしゅう。
 一方で、幹部学年としての仕事が果たせたかというと、疑問だった。寮長に頼りすぎていた面も否定できない。気の配り方と力の抜き方、そのバランスをまだまだ見極めていく必要がありそうである。

*1:スタッフ棟(名目上は倉庫)では、消灯後に、いわゆる山の歌を集めた歌集を皆で歌い、その後宴会ゲームをしながら延々と呑むという光景が毎晩見られる。

*2:豪雪地帯なので、夏の開寮期に大雪対策をしていくことが重要になる。

*3:やはり三年生

*4:料理専門スタッフのこと。他大生。

*5:乗鞍寮は夏の間しか開寮せず、スタッフが常駐することもないので、色々なものを建物内に片づける必要がある。発電機とか。