大道芸
JASRACに立ち入り調査、というニュースがネット上ではかなり話題になっていますね。というか、継続的に触れてるニュースソースがネットしかないので、他での取り上げられ方が分からないのだけれど。
気になったのは、「この機会に著作権なんてなくなればいいのに」、「音楽なんて所詮個人の趣味なんだから、金を取るのは間違ってる」という意見が散見されること。
他に同じ考え方をしている人に会ったことはないのだけど、音楽やプロスポーツは全て大道芸の一種だと思っています。一芸に秀でた人たちが、芸を持って大衆に娯楽を与える――大道芸と本質的に何ら変わらないでしょう。であれば、娯楽を与えてくれたことの感謝の表れとして、骨を折ってくれた経費として、対価を払うのは当然のことではなかろうか。
というか、プロ野球選手の年俸とかでこういう激しい議論が交わされているところを見たことないですね。先述のように「大衆に娯楽を提供して対価をもらう職業」=大道芸として色々一緒くたに考えている身からすると、プロスポーツと他の大道芸の扱いの差が不思議です。
(本筋からはずれるけれど、ひたすら勉強する人はガリ勉と蔑まれるのに、ひたすらスポーツの練習する人は賞賛されるという小学生的価値観もよく分からない)
まあ、死後云十年もの間、権利を主張し続ける現行制度に疑念をいだくことはありますが。
Boy's Surface
Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 216回
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収録作
- Boy's Surface 〈SFマガジン〉2007年9月号
- Goldberg Invariant 書き下ろし
- Your Heads Only 〈SFマガジン〉2007年11月号
- Gernsback Intersection 書き下ろし
黄色い本こと『Self-Reference ENGINE』に続く円城塔の短篇集。前作と違い連作ではないので、全体通して雰囲気を楽しむ、というわけにはいかない。
ちょっとでも理解できたと思ったのは「Boy's Surface」のみ。これってリアル・フィクティブ・ARToolでしょ*1。とはいっても、章題になってる座標の仕掛けとかまでは解けてないんだけど。
後になるほどわけがわからなくて、Gernsback Intersectionに至っては話の筋すら追えませんでした。知り合いの物理屋にでも読ませて解説してもらおうかしら。