海なんて知らない

 「海こそなけれ、ものさわに」(海はないけど、ものは豊か)と県の歌に入るような山奥で生まれ育った身としては、海は今でも違う世界にあるものに思えてなりません。

 土曜日に、大学の友人としまなみ海道サイクリングに挑戦してきました。事前に団体さんの予約が入っていたとかで、序盤子供用MTBやママチャリでの行軍を余儀なくされたりと、予想外な事件も重なりましたが、それ以上に印象的だったのがしまなみ海道の風景。内海に島々が折り重なっている様子はまさに「島並み」というにふさわしく、若干の霞も手伝ってまるで日本昔話の世界に入り込んでしまったかのようでした。僕らが日本を「国土の三分の一が山野の国」と思っているように、あの辺りに住んでいる人たちは「海に囲まれた島国」と思っているんでしょう。同じ日本でも、見ている世界はきっと違うに違いない。

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