SFセミナー2009レポート

本会

 今年もSFセミナーに参加してきました。
 友人邸に前泊していたんですが、案の定寝過ごし、一コマ目の中ほどで会場に到着。一瞬休憩時間と見紛うほどロビーには人があふれていて、とりあえず知り合いと駄弁りながら一コマ目の終わりを待つ。
 ……ゴロの定義にはいろいろな考え方がありますが、そのひとつに、イベントに参加することそのものが目的になっている人というのがあるんじゃないかと思いはじめました。
 お昼は京大SF研、名大SF研の面々と御茶ノ水駅前の麺類系定食屋で。値段と量のバランスがよかったのと、お店がそれなりに広い+周りに選択肢が多いのが吉。クア・アイナは大体キャパ一杯までSFファンで埋まるからなあ。

 二コマ目「円城塔は私たちSFファンのものではなかったのか?」。
 円城さんはSFかどうかというより、円城塔というジャンルで高値安定しているので、人を積極的に煙に巻くような相変わらずのトークが炸裂。円城さんの作品を読んだお父さんが「看過できない」から会いに上京すると電話してきたエピソードで会場爆笑。理解できない、ならわかるんだけど、直接会って話すほど「看過できない」ことなんて書かれてたっけ?

 三コマ目「若手SF評論家パネル」。
 47歳が二人いるのに「若手」と称するのはいかがなものか? 作品を理解して教えてやる、というよりも、俺の愛するこの作品のすばらしさを伝えたい、という熱意から評論を書かれている方が多かったのが印象的だった。そういうスタンスで書かれたものなら僕でも読めるかも。

 四コマ目「天を衝け! 嵐を呼ぶ 中島かずきインタビュー」。
 グレンラガンを見てなかったので、ついていけるか不安だったけれど、中島さんのトークがとても上手で笑わさせていただいた。大阪帰ったら最寄のレンタル屋でカード作ろう。

合宿

 京大、名大組と御茶ノ水PRONTOで時間をつぶし、会場まで徒歩で移動してから森川食堂で夕飯。いつもゴールデンウィークの只中で東大周辺の食事所は半壊の印象だったのだけど、今年はどこも開いてた。なぜ? 森川食堂は会場のふたき旅館直近で、良心的な値段と美味しい定食で、開いてるなら一番のお勧めかも。

 元京都SFフェスティバル実行委員長が、京フェス式の位置で京フェスの乗りでオープニングをはじめたので、さわや旅館に迷い込んだかと思いました。間の取り方がおかしすぎた。

 SFファン交流会出張版用の資料をコピーしてから、「ポスト『ハリー・ポッター』の世界 番外編」に顔を出す。SFファンにファンタジーはどう捉えられているのかという話から、SFファンのジャンル境界線引きについて泥沼の議論が交わされた後に、第二世界の創造を線引きとして強行に主張する三村美衣さんを中心に、ファンタジーがジャンルとして認知された起源を論じる場に。
 ……ポストどころか、ハリポタそのものにすらたどり着かないし。それはそれでありだけど。

 ファン交ゲストの風野春樹さんを捕まえて大広間で打ち合わせというかプレ座談会で二コマ目をつぶして、三コマ目のファン交出張版「グイン・サーガ超入門」へ。
 アニメがNHK BS2のせいか、思ったより会場にアニメ視聴者がいなくて、何を話したものか途方にくれる。ハンドブック2から拝借した大判地図を見ながらのアニメがカバーする16巻までの中原一周記や、30巻近くにも及ぶグイン不在事件、数十巻越しの複線の数々を風野さんと掛け合いで進めてみたら、割合に参加者の受けもよかったようでやった甲斐がありました。
 今から読む人には100巻を二冊に号本した豪華版グイン・サーガが一巻単価240円でお得です、と早川の回し者のように主張してみたけれど、冷静に考えたら後書きや表紙の変遷も含めてのグイン・サーガなので、やっぱり文庫を刊行順に読むべきだと思い直しました。

 四コマ目以降は大広間で駄弁り。例年通り朝まで粘りたかったけど、眠気でふらふらしてきたので3時過ぎに寝部屋へ撤退。そういえば、今年は知り合いとばかり話していて関係を広げる行動をとらなかったのは我ながらもったいなかったなあ。弟や友人邸を転々と巡ってた疲れもあったとはいえ。