風雲への序章

風雲への序章―グイン・サーガ〈123〉 (ハヤカワ文庫JA)

風雲への序章―グイン・サーガ〈123〉 (ハヤカワ文庫JA)

 周囲の信頼を得てとんとん拍子に出世していくグインに、宮廷のうわさ話だけで費やされる数ページ、久々登場のイシュトとカメロンの会話と、なんだかものすごくグイン・サーガらしい巻でした。グイン一座の珍道中から、パロの日々を経てサイロンの暗い話と、このところ迷走していたのが、ようやっと本筋に戻ってきたようです。「これまでの百二十二巻というのは、そこにたどりつくための紆余曲折だったのかなあ」と飛ばしまくりの後書きもまさに栗本御大。

 扉絵のナリスっぽい人の正体は意外というか、なんというか……。

 イシュトは、102巻のあれの後苦しんでいる場面が103巻にちらっと出てきて以来だから実に20巻ぶりの再登場。100巻突破記念に月猫通りで100p超の特集組んでから、もうそんなに経ったのかと思うと感慨深……いや、まだ3年しか経ってないし。すっかり大人になったのかと思いきや、やり口が少しだけ穏便になっただけで妄想力はいや増しているのはなんと言うべきか。破天荒なところが魅力ではあるものの、グインとまともにやり合うにはその方向は間違っている気がするし。


 ところで、アニメに期待してる人ってどれくらいいるんでしょうね……。

http://guinsaga.net/