ルナシューターI

ルナ・シューター〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)

ルナ・シューター〈1〉 (幻狼ファンタジアノベルス)

 新創刊なった幻狼ファンタジアノベル第一回配本から、林譲治の本作。
 とにかくテンポが悪い。延々と低重力化での弾丸軌道の説明が挿入されていた印象しか残っていない。林譲治はAADDシリーズでマイクロブラックホールの軌道を決めるのに延々とシミュレーションを繰り返した程、ハードSFにこだわりがある人なのだけれど、科学的に正確であることを主張する余り、物語としての流れがその度に切れてしまうのでは意味がない。Jコレ作品ではこんなぶつ切れ感はなかったので、ライトノベルよりの新レーベルという方向性に配慮した結果さじ加減を間違えたというところか。

 シリーズの一巻ということで、世界観と主要人物の説明を一通りして、最後に次以降の引きを持ってきて終わりで、内容もちょっと薄い。次からはきちんと物語が動いてくれる、と信じたいところ。