バスジャック

バスジャック

バスジャック

 新月お茶の会の先輩から譲ってもらった。「小説すばる」に掲載された連載をまとめた短篇集。

  • 「二階扉をつけてください」2005年2月号
  • 「しあわせな光」2005年3月号
  • 「二人の記憶」2005年4月号
  • 「バスジャック」2005年6月号
  • 「雨振る夜に」2005年8月号
  • 「動物園」2005年7月号
  • 「送りの夏」2005年9月号

 奇っ怪な二階扉のことを書きたいのか、閉鎖的な社会に越してきた近所づきあいが苦手な会社員を書きたいのかよく分からない「二階扉をつけてください」や、バスジャックが体系化・合法化された社会を描く「バスジャック」など、その設定で何がやりたいの? と訊きたくなる作品の中に、あからさまにお涙ちょうだいを狙った「送りの夏」などの作品が混じっていて、不思議な構成。その構成も相まって、全体としてつかみ所のない印象を受ける。
 つまらないとかではないのだけど、とにかく印象に残らない。