妙なる技の乙女たち

妙なる技の乙女たち

妙なる技の乙女たち

 小川一水がいかにも一般誌向けに筆休みに書いたものを、読者も休憩がてら読んでいる感じ。

 軌道エレベーターが実現した近未来、エレベーターの周囲に急速に集まってきた宇宙関連・周辺企業の都市リンガで働く女性たちを描く短篇集。所々で女性らしい視点が強調されてはいるものの、そう言う視点で行ったら『第六大陸』の式場を上回るものは出てこないので、パンチ力にかける。
 毎月このレベルで短編を出せるというのは凄いが、常に前より上を期待したい小川一水としては作者も読者も休憩する一冊。