略奪都市の黄金

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)

 ヤンデレって嫉妬深いことのネット表現だよね、と言ったら説教喰らいました。
 そんなことは抜きにしても、本作のへスターの可愛さは異常。

 前作『移動都市』が念頭にあるので、良い意味でハラハラしながら読むことができた。世界設定は基本的に前作で終わっているので、今回はよりエンターテインメント路線になったが、片手を振るだけであっさりと虐殺が起こる淡泊さは健在。児童文学を書いてるつもりはない、と主張してるJKR女史は一度フィリップ・リーヴを読んで本物を勉強するべき。

 反移動都市同盟の英雄で前作最後にあっさりと殺されたアナ・ファンを中心に、主人公たち以外全員死んだんじゃないかと思えた前作の展開を丁寧に引き継ぎつつ、都市移動時代を大きくかき乱す展開を見せつつ本巻は一旦終わる。このタイミングで、次巻は16年後の世界とか想像がつかずない。楽しみ。