青嵐にゆれる月草

 彩雲国物語13冊目、本編11巻。

 彩八家で一番落ち目だった茶家を陥とした次はいきなり頂点の藍家が中心だったらしい。なんだかんだで、この間まで中心だった茶家を除けば当の紅家以外は案外情報がなかったことに気づく。
 情報といえば、この作家がどうしても小手先で書いてるようにしか見えないのは、主人公と読者の間にある情報格差が大きい。叙述トリックのようなさり気なさすらなくて、主人公が持ってる手札を裏返しにしながら読者に見せびらかしているような感じ。読者の興味は引けるんだろうけど、逆にそういう小手先の仕掛けばかりが目についてしまい、結構しっかりと進んでいるはずの本筋から目がそれがちになってしまうのは残念。

 今回は蘇芳の出番が少なくてしょんぼり。