マリア様がみてる 白地図・くもりガラス

 この時期の祐巳たちは絶妙ですね。祥子と出会って一年、後輩たちを気遣うだけの成長した姿と未だに祥子や聖様に助けてもらう弱さを同時に持っています。リアルタイムで追っていた人は引き伸ばされてることでイライラしたのかもしれませんが、幸いというか3年間貯めていたので、一気に楽しんでいます。

 今野緒雪は身近なものを題材にきれいな想い出を紡ぐ才能があると思います。傘とか。『未来の白地図』はそんないい例。
 『くもりガラスの向こう側』はお正月巻(笑)。このタイミングで一切本筋が進まないというのは、四半年待って読む人にはつらいでしょうね。茶色い電気、いとなつかし。