移動都市

移動都市 (創元SF文庫)

移動都市 (創元SF文庫)

 ひょんなことから平凡な少年トムは陰謀に巻き込まれ、不思議な少女とともに様々な出会いと裏切りを経験する。こう書くと正当派ジュヴナイルのようだけど、終盤の惨劇は子供に読ませるべきではなかろう。二人称、三人称、不特定関係なく、とにかく人が死ぬ、死ぬ、死ぬ。四部作の第一部ということだが、伏線張る余裕もないくらいに死んでる気がする。このあとどうやって続くのか?
 ところで、何カ所も「ここは笑うところなの?」とつぶやきたくなるような場面があったのだけど、京フェス堺三保さんが言っていたように、イギリス流のユーモアは日本人には通じないと言うことなのかしら。

 ストーリー自体は、死人の数を除けばふつうのジュヴナイルで、それなりに楽しめた。