SFセミナーレポート(hatena版)

 5/3-4にかけて行われたSFセミナーのレポート。

昼1時間目〜超SF翻訳家対談

 昨年は寝坊して出られなかった1限だが、今年は京都から夜行バスでやってきた友人と合流して、無事参加。
 朝倉久志は優しそうなお爺さんで、思ったより元気そうだった。寡聞にして、会社勤めから翻訳家業に転職したということを知らなかったりと、なかなか面白い話を聞く事ができたと思う。それにしても、聞けば聞くほど伊藤典夫は偉大な方だ。
 朝倉先生がメインゲストということで、大森望は遠慮していたのかあまり喋らなかったが、多くのパネルに参加しているだけあってコメントはどれも的確で面白いものばかり。できればもう少しおな話を聞きたかったもの。

昼2限目〜異色作家を語る

 申し訳なかったが、次以降の体力をつけるために休息させていただいた。相変わらず牧眞司のエネルギーは凄いと思う。

昼3限目〜ウブカタ・スクランブル

 ライトノベルはサービス業と主張する冲方丁の提唱するチーム制作家システムについての話が中心に。これについては賛否両論あるのだろうが、創作文芸サークルに所属する身としては学ぶべ点は山のようにあった。冲方は業界意識がとても強い人で、人材育成を通じて業界に貢献すべき、という主張はサークルとのアナロジーで非常に身に染みるものがあったが、冲方本人もまだまだ若い、あまり頑張りすぎて身体を本格的に壊さないで欲しいもの。
 チーム制及びメディア・ミックスの一大実験であるシュヴァリエには注目して行こうかな。

昼4限目〜ワン・ヒット・ワンダー・オブ・SF

 所謂一発屋についての話。文学界全体で廃れつつある短編が、SF・ファンタジーにおいてのみ未だ重要な地位を占めていることについて、SFの構造から説明を与えることが試みられた。
 来年のNippon-con2007を念頭においてのバイリンガル企画と言う事だったが、当然ながら会場は皆日本語を解する人ばかりだったので、ジーン・ヴァン・トロイヤー氏の発言を日本語に訳するに留まった。

合宿1コマ目〜(前略)タダシイ生物学

 御茶ノ水の本会会場から本郷の合宿所まで徒歩で移動し、夕飯を食べた後合宿。
 一コマ目はタダシイ生物学としょうして、過程でできるDNA抽出実験を行う企画へ。参加者からの色々な質問に対して詳細且つ分かりやすい言葉で説明されるお二人を見るに、自分が一部のジャーゴンの正確な意味・意義について如何に無自覚でいたかを痛感した。もっと勉強しなければ。

合宿2コマ目〜休憩

 2コマ目は大広間のマッド・サイエンティスト・カフェに入り浸る予定だったが、皆さん企画へ出払っていた。が、代わりに海外ファンタジーを原書で読んでる方から色々貴重な経験談・提言を受ける事ができた。塞翁が馬である。

合宿3コマ目〜読書会を考える

 SFファン交流会の出張企画として読書会を考える部屋へ。各所の大学SF研は大筋には似たような形式で読書会を行っているようだったが、内容は構成員によって大きく違っているようだ。
 実践編はかなり盛り上がって、思いの外笑わせていただいた。凄い方々もいらっしゃるもの。

徹夜

 3コマ目の後は、大広間で人の輪を移動しながら徹夜でだべる。今年は大学SF研くらいの年代の人が多かったので、そう言うところに混ぜて貰う事が多かったか。本当に凄い人というのも一人や二人じゃなくいるもので、自分が古いSFを全然読めてないことを年齢のせいにするのはお門違いだということを痛く思い知った。

終了後

 無事定刻でSFセミナーが終了した後は、この一年間コンベンションに参加する中で仲のよくなった若手で神保町ツアーを。大勢で行くと財布の紐がゆるものはどういうわけだろうか。

総括

 去年に参加してから色々読んだし、それなりに勉強もしたので、より本会を楽しむ事ができたと思う。が、合宿では同年代と話していても勉強不足を感じる場面が多々。来年はもっと勉強してもっと楽しむぞー。