永久帰還装置

永久帰還装置 (ハヤカワ文庫JA)

永久帰還装置 (ハヤカワ文庫JA)

 世界は犯罪者ボルターが創り出したまがい物だとする主人公の主張と、主人公こそが妄想にとりつかれているという主張。矛盾する主張が同程度に説得力を持ち、提示される事実全てを疑う感覚。叩きつけるように事実だけを並び立てた台詞の数々。
 ひたすら神林らしい作品としか言いようがない。傑作。


 あと、感想と解説文がごっちゃになったような海猫沢めろんの解説も面白い。