シオンシステム
- 作者: 三島浩司
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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読みました。感想などは諸事情につき省略。気になる人は直接訊いて下さい。
人類は衰退しました2
- 作者: 田中ロミオ,山崎透
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/12/19
- メディア: 文庫
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中編2編構成。どちらも『不思議の国のアリス』のノリで楽しめた。
妖精さんが作ったと思われる不思議なスプーンで自分の頭をすくうとあら不思議、小麦粉が無限にでてくるじゃありませんか。調子に乗ってすくい続けるわたしがふと気づくと、周りのものが大きく――いいえ、わたしが小さくなっていました。外に出れば鳥にねらわれるわ、ハムスターは話しかけてくるわでもう大変。
ところで、脳の重さに人間の高い知能の理由を求めようとすることは少なくありません。ある程度多数の神経細胞同士の相互作用がきっと知的活動には重要だろうという仮定*1からすれば、一定以上の大きさを持つことが必要だということは納得しやすいことでしょう。
そう考えると、前編で“わたし”が体験した、知性が低下するのに併せて体が縮むというメルヘン現象は、逆に体が縮むこことによる当然の要請としての知性の低下だったのではないか、とも思えてきます。
で、ここで問題になってくるのが妖精さんたち。スプーン・スカウターによると平常時の“わたし”は320杯くらい、妖精さんたちとあったときは32杯で値としては10分の一。ログスケールだったらガクガクブルブル。頭身や妖精さんたちの会話が妙に紳士風なことを考えると、妖精さんたちの知性は32杯よりちょっと高めで40杯程度? 引退した人間の跡を継いで人類となった、人間よりはるかに高度な何かを持つはずの妖精さんたちが40杯。まあ、一人一人の言動みてればそんなもんか、とも納得ができるのですが……。
じゃあ、妖精さんたちが集まったときに一晩にして未来都市を造ってしまうような知性はどこから来てるのか? マジで並列処理系組んでるくらいしか説明ができないですね。
後編は「時の軍勢」(グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)所収)でお菓子を作ろう計画に、誰もいないところで育ったヒトの自意識について。
この助手さん、今後やたら使いづらそうなんだが、大丈夫なのか? というか、これはもう終わらないでいい連作シリーズ化決定?
*1:特に科学的背景をもって言ってるわけではありません。テキトー