情けなし

 先日の苦闘は結局marray, limma packagesにAgilentのフォーマットを読み込むコマンドがありました、という解決。インフォマティシャンな救世主も降臨してくれたので、SJavaの方も試してみようかしら。
 肝心のサンプルは準備が遅れてるのだけれど……。

 というか、やってみました、できませんでしたという情報量の少ない内容しかないのに検索で上の方に出てくるのでびびるやら情けないやら。

 自分で言及しておいて、法政大の秋山×古橋対談忘れてたという。もったいな。

時砂の王

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

 これ本当に小川一水? と読み進めるほどに思ってしまったのは、小川一水プロジェクトX、SFへの夢の仮託だとしか認識していなかったから。知り合いは挫折からの再起として読んでいたというので、そちらの方が近いのだけれども、本作はそれとも少し違う気がする。

 人類の敵ET(Extraterrestrial intelligence → Extraterrestrial Enemy → Evil Thing)と戦うために作られた人工知性体メッセンジャーたちは、時間改変で人類を滅ぼそうとするETを追って過去へ飛ぶ。他ならぬ彼らの干渉で時間樹は分枝し、自分たちが後にした未来やそこに生きる愛する人たちとは二度と会えないと知りながら。
 主人公であるメッセンジャー・オーヴィルは十万年の時の中でわずかな勝利と数多くの撤退を重ねて疲れ果て、それでもまだ人間への忠実さ――未来においてきた思い人の理想――を求め続けて戦う。不朽の想いに、それを知ってなお背負おうとする卑弥呼の強さ。間違いなく小川一水の現時点での最高傑作であり、しかも全く新しい小川一水の始まりになる作品だろう。

 ここからはネタバレになるよ。個人的にはネタバレが怖くて書評(そんな大層なものではないけど)が書けるか、読めるか、という気はするのだけれど、今回ばっかりは既読者対象で書くのでそのつもりで

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